フォアサイトギア | 【40代の将来不安を解消】雨の岡山マラソンで捻挫!「最高の撤退戦」を選んだぼくが語るやめる勇気と正しい判断

雑記

2025年11月、朝から降りしきる冷たい雨。
岡山マラソンの会場に立つ自分の姿を、少しだけ誇らしく感じていた。
40代になっても、まだ挑戦できる――そんな思いを胸に。

ぼくたち40代は、体の不安、資産の不安を抱えながら、家族のために歩みを止められない。だからこそ、「フルマラソン完走」は、その努力が報われる一つの象徴だった。

雨のスタートライン

天気予報は的中し、朝から強い雨。

レインウェアや防水ソックスなど準備は万全。それでも肌に打ちつける雨は冷たく、気持ちを試されているようだった。

スタートの号砲が鳴ると、心は一気に晴れた。ペースも安定し、体も軽い。

「このまま行けるかもしれない」――そう疑いなく感じていた。

10km地点、突然のアクシデント

雨で濡れたアスファルトの路面。

その一瞬だった。右足首がズルッと滑り、激しい痛みが走る。

捻挫だとすぐに分かった。それでも足は止めなかった。

スピードを落としながら、前だけを見て進む。

痛みが強くなるたびに「もう少しだけ」と言い聞かせた。

身体との対話、心との駆け引き

15kmを過ぎるころ、膝の裏にも痛みが広がった。

ふくらはぎを伸ばしては走り、また止まっては走る。

関門のアナウンスが聞こえたとき、焦りが一気に押し寄せた。関門を規定時間内に越えなくては、競技終了となってしまう。

「あと数分で閉鎖します!」

その声に背中を押され、限界に近いスピードで走る。

痛む足を無視し、「ここで終わるわけにはいかない」と、限界を超えて関門を突破する。

なんとか関門を越えたとき、息が切れるよりも先に涙が出そうだった。

揺れる想いと、冷静な判断

しかし、痛みは確実に深くなっていた。

右足首、膝裏、そしてふくらはぎ。

走るたびに、体が「もうやめてくれ」と叫んでいるのがわかる。

「完走したい」気持ちと、「明日からの生活を守らなければ」という現実の間で、心が引き裂かれそうだった。

それでも歩みを止めず、1歩ずつ前へ。

雨は弱まらず、ぼくの決意を試しているようだった。

今も路面の冷たさが足元から伝わる。

回収バスが見えた瞬間

徐々にスピードが落ち、ついに最後尾の車が視界に入った。

どれだけ足を前に出しても、その距離は縮まらない。

そして、静かに横を抜けていく車。

スタッフの優しい声で、現実を受け入れるしかなかった。

「おつかれさまです。こちらへどうぞ」

回収バスのドアが開いた瞬間、全身の力が抜けた。

無念、そして安堵

完走できなかった悔しさは、想像以上に大きかった。

でも…同時に、「もう走らなくていい」という安堵もあった。

体のこと、家族のこと、仕事のこと――いろんな思いが頭をよぎる。

バスの窓に映る自分の姿は、どこか穏やかだった。

“撤退”もまた、完走のひとつ

家に帰り、氷水で足を冷やした。

足首の腫れはなかったが、膝裏には鈍い痛み。

それでも不思議と後悔は少なかった。

全力で挑み、行けるところまで行った。

「もう少し先へ」と思える気持ちが、また次への糧になる。

40代の身体は、若いころのように無理はきかない。

けれど、経験を重ねた今だからこそ見える景色もある。

挑戦と撤退、そのどちらにも意味があると知った。

この挑戦を通じて、ぼくは学んだ。

「撤退もまた、立派な完走。」 その言葉を胸に、次のスタートラインを目指したい。

― 岡山マラソン2025、雨のち晴れ。

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